「Edu×Tech Fes 2019 U-18」プレゼン全文vol.3 西林咲音さん「短所を長所に変える。そして、チャンスをつかもう」

今年3月に開催され、大きな反響を呼んだライフイズテックの一大イベント「Edu×Tech Fes 2019 U-18」。中高生トップランナー6人のプレゼン内容の詳細を本マガジンで紹介していきたい。

皆さん初めまして。
本日は短い間ではありますが、なるべく多くのことをお伝えできればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

まず初めに自己紹介です。私は現在、高校3年生の18歳です。春から大学生になります。
中学2年生の時にプログラミング学習を始め、高校生の2年間には、アプリ甲子園の大会に2大会連続で出場の後、昨年は第23回の国際女性ビジネス会議で最年少スピーカーに選出していただきました。

人とは少し変わったようなことをしているように見えますが、私は普通の女子高生で、休日には友達とカフェに出かけたりふざけあったりテレビを見たりと案外普通に過ごしています。

プログラミングを始めたきっかけは本当に偶然でした。
学校で配られたチラシと、友達の誘いでライフイズテックのサマーキャンプにたまたま参加したんです。
あまりプログラミングをやりに行くっていうような意識はなくて、ただ行ってみて、 iPhone アプリを初めて作ってみたんですね。
そうしたら、自分で作ったアプリが謎のコードを移しただけなのに動き出して、非常にワクワクする体験だったんです。
普段実際に使っているアプリっていうのは、当たり前だけれど誰かが作っているものであって、それが自分自身でもいずれできるのではないかと本当に非常にワクワクする体験でした。それ以来、私はプログラミングの学習を続けています。
自分自身で続けたいと思って頑張ってきたことなので、アプリを作ってみたら、もっと色んな人に知ってもらいたい、見てもらいたいなと思うようになりました。
それで私はアプリ甲子園の大会に出させてもらって、初めて出してみたら決勝大会に進むことができました。
いろんな人に使っていただいたり、フィードバックをもらえて、非常に有意義な経験になりました。

アプリ甲子園」とは今2011年からスタートした中高生のためのスマートフォンアプリ開発のコンテスト。

今ではそのおかげもあって、自分が配信した3作品のアプリのダウンロード数が、1万5000件に上りました。
女子高生でプログラマーっていうのは今でもまだ少し珍しいことで、最近は増えてはいますが、女子高生プログラマーで検索すると、ネットでなぜか一番上に私が出てくるんですね(笑)
そのこともあって、たまたま私を見つけていただいて、第23回国際女性ビジネス会議で最年少スピーカーとして選出していただくことになりました。

当日は会場に1000人近い人が集まって、年齢関係なく男女も関係なく非常に強い意志を持って livestrong というテーマのもとに熱い時間を過ごすことになりました。
私自身は83才でプログラマを押されている若宮正子さんと脳科学者の茂木健一郎さんと一緒に、年齢は関係ないというテーマのもとトークショーをさせていただきました。普通の女子高生だった私が、なぜ今までこんな体験をすることができて、そして今日この場に立っているのでしょうか。

ここから本題に入ります。

私が今日皆さんにお伝えしたいことが、お伝えしたい事が1つは短所を長所に変えるということ。そしてもう1つはチャンスをつかむということのこの2つだけです。

皆さんご自身には短所がありますか。
私は短所がたくさんあります。

皆さんにも自分の中でいくつかは短所に思うところがあると思います。
でも、その短所を3つくらいまず挙げてみてください。
そうすると、そのうちの1つは案外他の人から見たら長所に感じるものだったり、また努力次第で長所に変えることができるものだったりします。

最近こんな CM をよく目にします。これは勉強が苦手という短所を伸びしろがあるという長所に捉えたいわゆる発想の転換です。
ただ、これだけでは発想の転換ですので、伸びしろがあるとは言っても全然勉強できないじゃんと言われたら返す言葉がないですよね。
しかしここから努力してその伸びしろを埋めていけば、努力できる力があるという長所が出てきます。
そしてさらに勉強を続けていけば、勉強が苦手という短所が無くなるどころか、勉強が得意という長所すらも手に入れることになるかもしれません。

私の場合の短所は持病でした。

小学5年生の時にいきなり偏頭痛を頻繁に発症するようになり、発作の際には閃輝暗点による視界の欠落や吐き気を伴う激しい頭痛によって、何時間も動けない状態が続きました。

学校の授業で遅れをとってしまったり行動に制限されるようになり、非常に物事をネガティブにとらえるようになりました。
しかしそれを変えてくれたのは、私がプログラミングを始めたということでした。

これが私の分岐点です。

このアプリは2017年度のアプリ甲子園大会決勝にも出させていただいた作品で、Calmというヘルスケアアプリケーションです。
学校の時間割を登録すると、発作を起こした日の日記を書くことができます。
時間割の結果、時間割の出欠を記録してその日の体調の度合いを色で表すことができます。
問診にあるような1から5段階の評価ではなく、自分自身が発作が重かったら赤、重かったら青というように直感的に操作をすることで、より楽しくそして何よりも可愛らしく継続して記録をつけることができます。

西林咲音さんの作品
Calm

このアプリを作ろうと決めて、実際に作成してみてそして大会を経て多くの人に使ってもらうことができて、その評価をもとに私はこの自分の持病という短所を素敵な作品に作り変えることができたんです。
皆さんにも短所があってその度合いは様々だとは思いますが、ぜひ自分自身の短所について蓋をせず、一度考えてみてはどうでしょうか。

次にこれは単純な話ですが、チャンスをつかむということについてお話しします。

学校生活や仕事をしている中で、日常にチャンスは突然やってくるものですよね。そしてそれは好機とも言うくらいですから、つかめたらとても素敵なことで、でも不安やリスクが伴うものでもあると思います。
私自身は今までの生活の中で何度もチャンスをつかむのが怖くて手放してしまいそうになることがありました。
ですが、私は今までなるべく多くのチャンスをつかんでここまできました。だから今日ここにも立っています。
チャンスとは自分自身がする選択です。
チャンスをつかむ、つかまないは他の誰でもなく自分自身が決めることです。
私は中学2年生の時にプログラミングを始めるという選択をしました。
そして高校の2年間にはアプリ甲子園の大会に出るという選択をしました。
そしてその後メディアに出るという選択をして、昨年には国際女性ビジネス会議に出るという選択をしました。そしてこれから大学に行くという選択をしました。
これら全てがチャンスであり、私自身が選ばなくてはならないものだったんです。
何か選択を迫られた時にそれはチャンスでしょうか。
そしてそれを自分自身でつかむことができるでしょうか。
一度立ち止まって考えてみてください。
他の皆がこうだからとか、こっちの方がいいと言われたからではなくて、自分自身が選んで自分自身が行動することが大切です。
それによって自分の行動に自信と責任が芽生え、より大きなチャンスに巡り合うことができます。

それでもまだチャンスをつかむのが怖くなります。
皆さんにもそんな時が来たら、まずはオッケーと言ってください。
チャンスが自分に釣り合ってないものだとしても、実力不足で不安だとしてもまずは OK と言います。
そうすれば断るのもなかなか大変に感じるものになるし、いつのまにかチャンスをつかんでいるということがよく出てくると思います。
そのチャンスをつかむために、これからいろんな努力をすることになるし、そのチャンスをつかんで終わってみればあの時選択をしといて良かったなと思えると思います。
なぜならチャンスをつかんだのですから。
今日はここにはものすごいいろんな方が集まってすごいお話をすることになったと思いますが、私は話してみると案外普通の女子高生だと思います。
でもそれは発想の転換によれば、伸びしろがあるということですよね。
ここから私が努力して伸びしろを埋めていけば、これからもっと長所が増えて成長した私になれると思います。
どうぞ皆さん、私のこれからの活躍にご期待ください。
そして皆さんも長所を増やしてチャンスをつかんでいきましょう。
ご静聴ありがとうございました。

 

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