【メンバー成長記】ふたりだからこそ生み出せるものがある! 女子高生2人組がオリジナルブランドを作ったワケ
なぜブランドを立ち上げることにしたのか。また、なぜふたりでプロジェクトに取り組もうと思ったのか。その理由を聞いてきた。
身近なものを自分の手でつくってみたい! ものづくりへ情熱を注ぐふたり
“さっきー”と“とっぽ”。ふたり揃わなければ生まれなかったブランド『söpö minä』
身近なものを自分の手でつくってみたい! ものづくりへ情熱を注ぐふたり
—— もしかしてふたりが着ているその服は、自分たちのブランドの……?
西江桜紀さん(以下/さっきー): はい。『söpö minä(ソポミナ)』のTシャツを着ています。
—— かわいいですね! それにしてもブランドを立ち上げるなんて、その行動力に驚きました。ふたりとも元々そういう、何かものをつくることに興味があったんですか?
加藤りさ子さん(以下/とっぽ): そうですね。私は小学2年生の時に知り合いに誘われて、ロボットプログラミングの教室の体験に行ったのがきっかけだったと思います。想像したものを実際に動かしたり作り出せたりすることが面白くて、毎月のようにプログラミング教室に通ってましたね。
さっきー: 私の場合は、きっかけというより物心がつく前からずっとものづくりに興味があったんだと思います。例えば幼稚園の頃、ダンボールや紙、お菓子の箱を使ってDSを手作りしていました。他にも商品パッケージやお店のロゴを見ては、ジュースのパックや何かのロゴを自分で考えてお絵かき帳に描いていた記憶があります。また学校の授業で新聞を作成した時も、レイアウトなどにとてもこだわっていました。とにかく好奇心旺盛で、いろんなことに手を出していましたね。
『お菓子の箱を使って作ったニンテンドーDS』
—— ふたりとも、自分が思い描いたものを生み出すことに、熱中していたんですね。しかしさっきーさんは、ものづくりといってもプログラミングとは別畑のような気がします。
さっきー: 確かにプログラミングについては、よく知りませんでした。しかし小学生の頃からパソコンをいじるのも好きだったので、おそらくその頃からプログラミングについて漠然としたカッコよさを感じていたんだと思います。
—— プログラミングに魅了されたとっぽさん、そしてぼんやりとカッコよさを感じていたさっきーさんが、ライフイズテックに行ってみようと思ったきっかけは?
とっぽ: 私は最初、ロボットプログラミングをしていたんですが、その中で自分が普段使っているアプリやWEBサイトもプログラミングでできていると知ってもっと幅広く学びたいという思いが強くなったんです。そこで夏休みを利用してプログラミングを学べる場所を探したところ、ライフイズテックの夏キャンプを見つけて参加することにしました。
さっきー: 私は母の紹介ですね。「好きそうだから、参加してみない?」とライフイズテックのウェブ広告を見せてくれて。ものづくりもパソコンいじりも好きだったので、すぐに参加を決めました。
—— 今の世の中には、いろんなプログラミングスクールがあると思うんですが、なぜライフイズテックを選んだのでしょうか?
さっきー: コースがたくさんあったのが、とても魅力的でした。初めて参加した中学1年生の時はLINEスタンプコースを選んだんですが、自分が描いた絵をスタンプにできるんだと思うと、とてもワクワクしたんです。
とっぽ: あとライフイズテックは、参加者のものづくりへの姿勢がすごく楽しそうだったんですよね。そこに私は惹かれました。
ライフイズテックのスクールでの開発風景(2020年1月以前に撮影)
“さっきー”と“とっぽ”。ふたり揃わなければ生まれなかったブランド『söpö minä』
—— ものづくりへの情熱が爆発しているふたりは今回、ブランドを立ち上げたわけですが、このプロジェクトにはスクールに通い始めてからずっと取り組んでいるのでしょうか?
さっきー: 実は私たち、キャンプも校舎も学年も違うんですよ。2020年の1月にとっぽが運営していたイベントで会うまで、お互いの顔も知らなかったんです。
—— てっきりライフイズテックの同じ校舎に通っているものだと思っていました。ちなみにそのイベントは、どんな内容だったんですか?
とっぽ: メンバーとメンターが集まって、開発の意見交換をし合うプログラミングイベントです。
—— イベントまで企画しちゃうんですか!
とっぽ: 別のメンバーが企画した「みんなで集まって楽しい時間を過ごそう」みたいなオフ会に参加した時に、もっとライフイズテックらしく、みんなで開発をしたり意見交換をしたりする場ができたらいいなと思ったので、社員さんに相談してプログラミングイベントを開催することにしたんです。
メンバーが主体となって開催したプログラミングイベント(2020年1月撮影)
—— いろんな人の作品やものづくりの過程を通して、刺激がもらえそうですね。そしてそこにさっきーさんが参加した、と。
さっきー: はい! 私は中学1年の夏キャンプからライフイズテックに通っているんですが、2019年のクリスマスキャンプに参加した時に初めて、たくさんのメンバーやメンターさんと仲良くなれた気がしたんですよね。ライフイズテックのメンバーって、クリスマスキャンプのあとに「ロス」になっちゃう人が多いんですよ(笑)。私もその1人で。また私は、キャンプでやり残したことがあったんです。もっとデザインのことを学びたいと思っていたところに、とっぽのイベントの情報がTwitterで流れてきて。メンバーやメンターさん、そしてずっとTwitterで気になっていたとっぽに会いたいという気持ちもあって、参加しました。
—— イベントの前から、Twitterでお互いのことは知っていたんですか?
とっぽ: はい。私はさっきーがTwitterにあげるイラストやデザインを見て、「これがグッズになったらいいな」と思っていたんですよ。
さっきー: 私もとっぽのWEB系やコーディングの発信を見て「すごい」と思っていたんです。とっぽのポートフォリオには自分ができることも書いてあって。それを見ていると、とっぽの得意なことが分かるんですよね。
—— お互いの才能に惹かれ合っていたんですね。そんなふたりは、いつ頃ブランドづくりをはじめたのでしょうか?
とっぽ: 新型コロナウイルスの影響で学校が休校になったタイミングですね。お互いの得意をいかす「ブランドづくり」をしてみないかと、さっきーに連絡を取ったんです。
さっきー: 私もとっぽからブランドづくりに誘われた瞬間、「それだ」と確信したんですよ。というのも私は普段から、自分が「かわいい」「好きだ」と感じたことを皆に知ってもらえたらと、Twitterで発信を続けていて。そして休校期間中、これまでの発信をもっと大胆にできる方法が無いかと考えていたところに、とっぽからの誘いがあって。そこからすぐにzoomで会議を始め、計画を立てました。
—— ブランドをつくっていくとなるとコンセプトが大事なのかなと思うのですが、出会ってまもないふたりでは、意見のすり合わせも大変だったのでは?
とっぽ: コンセプトをつくる前の段階から、ふたりの間の「かわいい」にズレがあるのは分かっていました。だからSlackにチャンネルを作って、お互いが思う「かわいい」を共有して、すり合わせをすることにしました。ただやはり、お互いが感じる「かわいい」という感覚の違いは完全には埋まらなかったので、テーマが1つに絞れなかったんです。だったらそれぞれが思ういろんな「かわいい」を集めたブランドをつくればいいんじゃないかとなり、『360°いろんな「かわいい」』をコンセプトにしました。
—— 「かわいい」が合わないとなると、話し合いもなかなか進まなかったのでは?
さっきー: それがそうでもなくて。実は私たちはふたりとも、話し合いをつくっていく立場になることが多くて、いろんな人の意見や希望を最大限活かすにはどうしたらいいかを考えるクセがついていたんです。そんなふたりが揃ったから、自然とそういう話し合いができたのかもしれません。自分の意見だけが絶対に正しいとも思ってないし、なによりお互いに尊敬しあっているので、相手の意見も取り入れてどうアップデートするかを考えるんですよね。
—— 簡単に言っていますが、その話し合いの仕方は大人でも難しいですよ。話を聞けば聞くほど、ふたりが今年の1月にはじめて会ったのが信じられないくらい、信頼関係の強さを感じます。
とっぽ: 私たちはきっと、ものづくりに前向きという共通点を持ちつつ、互いが互いにないものも持っているからこそ尊敬しあっているんですよね。実際にアイデア出しをする中でさっきーは、私1人だと思いつかないようなことを発案してくれるんです。デザインに強いさっきーと一緒にものづくりをすることで、今まで触れてこなかった技術に挑戦する機会も増えましたし。なにより言葉だけじゃなくて具体的に進めていけるのが、さっきーなんです。そんな彼女だから刺激し合えてるのかな、と。1+1が2ではなくて10とかそれ以上になるというか。プラスアルファなクリエイティブが生み出せているのは、さっきーがパートナーだからだと思います。
さっきー: 私もWEBサイトを通じてブランドをたくさんの人に知ってもらえたのは、とっぽがいたからだと思っています。とっぽは向上心が強いので、周りや私からの意見を踏まえて、多くの方々に使ってもらいやすいサイトにアップデートしてくれるんですよ。とっぽのそういう部分に大きな魅力を感じますし、新しくなったサイトを見るたびにワクワクするんです。そしてそんな彼女からの信頼を感じるからこそ、自分もいいデザインをつくろうという気持ちをもらえるんです。また私は今でこそ自分の好きなことを発信していますが、元々は発信することに消極的でした。反対意見がくるのが怖かったし、なにより自分に自信がなかったんです。でも何事にも積極的なとっぽと仲良くなったことで、発信する勇気が持てて、自分にも自信がついて、世界が広がりました。今では、とっぽのイベントに運営側として参加するようになったくらいです。
ふたりが描く、『söpö minä』と自分自身の未来
—— ちなみにこれから『söpö minä』というブランドをこうしていけたらいいな、みたいな展望はあるんですか?
とっぽ:「デザフェス」への出展を目標にしています。そこでお客さんに実際の商品を手に取ってもらえたらなあ、と…。あ、言っちゃった(笑)!
さっきー: ヤバいよ(笑)! といいつつ私にも野望があって。今私たちは高校生で、財力がありません。だから今の『söpö minä』は、在庫を抱えなくていいサービスを経由してアイテムをつくっているんです。ただこれを将来的には、ショッピングモールなどにあるポップアップショップみたいなリアル店舗で、在庫を持った状態で販売してみたいと思っています。また個人的にはアクセサリーもつくってみたいので、勉強しています。
—— ふたりが思い描く『söpö minä』の未来像を実現するためには、ふたりのスキルを今以上に高めていく必要もありそうですね。
さっきー: はい! だから私は、美大のデザイン科を目指すことにしました。デザインをやっている人しかいない環境に身を置いて、刺激をもらいながらスキルを伸ばして『söpö minä』の活動にも活かしていきたいです。
とっぽ: 私も『söpö minä』の活動を通して、自分のスキルを伸ばす必要性と同時に、使ったことのない技術に挑戦したい気持ちが強くなっています。だから大学の情報学部に進んで、プログラミングのスキルはもちろん、人に届く作品にするためにはどうしたらいいかについてもしっかり学びたいと思っていて。『söpö minä』を通して、大学でプログラミングをやりたいという気持ちが、より強くなりましたね。
—— 『söpö minä』は、ふたりが進路をより深く考えるきっかけにもなっているんですね。ますますふたりが生み出すものへの期待が高まってきました。それと同時に、ふたりがライフイズテックに通っていてよかったなあ、と。出会っていなれば、このブランドは生まれてなかったわけですし。
とっぽ: そうですね。さっきーや私に限らずライフイズテックのメンバーって、つくった作品や活動を当たり前のようにSNSで発信するんですよ。そこから「これ、自分もやってみたい」「こんなフィードバックがもらえるんだ」といった気付きをもらえるんです。そういう環境や文化があって自分も積極的に発信する側になったからこそ、さっきーや仲間たちと出会えたと思っています。
さっきー: 私も自分が発信する側になって、共感される喜びを知って、自分の世界がぐっと広がったんですよね。ライフイズテックって、同世代の仲間はもちろんなんですが、いろんな知識やスキルを持った社会人や大学生とも深くかかわれる場所なんです。自分が何か新たなことに挑戦したいと思ったときにその道に詳しい人へ相談しようと思っても、学校に通っているだけだとそういうつながりってなかなか得られないじゃないですか? それがライフイズテックならできるんです。だからライフイズテックは、何かのきっかけやつながりをつかめる場所なんじゃないかなと思います。
とっぽ: しかもプログラミングやその他の情報だけじゃなくて、たくさんの「すごい」をもらえる場所でもあると思っています。いろんな得意を持った人たちから、めちゃくちゃ褒めてもらえるんですよ。これがライフイズテックならではの雰囲気かなと思っています。
【インタビューを終えて】
自分の「好き」を形にすると言っても、1人では難しいこともあるでしょう。しかしとっぽさんとさっきーさんのように、異なる得意分野を持った人同士がパートナーとなれれば、大きなクリエイティブに挑戦できる可能性は広がるのかもしれません。
ふたりへのインタビューを通して、ライフイズテックは一緒にものづくりを楽しんだりそれぞれの得意を伸ばしあえたりする仲間との出会い、コミュニティなのだと感じました。
少しでもやってみたいことがある人はもちろん、何が好きで得意なのかが分からない人もきっと、自分に自信を持てるようになるきっかけがあるはずですよ。
『söpö minä(ソポミナ)』公式サイト: https://sopomina.com
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ライター:クリス(@qris_)