【メンバー成長記】プログラミングが人生を豊かにしてくれた!? ライフイズテックに6年間通った高校生が、卒業目前の今、胸に抱く思い

posted on 2020/02/12
ライフイズテックは、いわゆる習い事だ。だから通う年数は人によって異なり、平均すると2~3年のメンバーが多いという。
そんな中で、中学入学から高校卒業を控えた今もなお、スクールに通い続けているメンバーがいる。今回インタビューをした、増田大真(ますだ たいしん)さんだ。なぜ彼は、6年間ライフイズテックに通い続けたのか。その理由について語ってもらった。


ー 居心地がよかった。プログラミングが楽しくて通い続けた6年間
ー 少し遠回りもした。迷いなくゲーム開発を進めるために必要だった挑戦
ー プログラミングは、表現方法の1つ。ライフイズテックで学んだことを、これからの人生にいかしたい

居心地がよかった。プログラミングが楽しくて通い続けた6年間

─── ライフイズテックに通い始めたきっかけを教えてください。
大好きだったゲームがプログラミングを用いて動いていることを知り、自分でも作ってみたいと思ったからです。

─── プログラミングの存在はどうやって知ったのでしょうか?
小学4年生の頃に、母から教えてもらいました。「そのゲーム、プログラミングっていうので作られているんだよ~。」って。母も以前、プログラミングを少しやっていた時期があったみたいで。

─── 小学4年生の頃ということは、まだ中高生向けのライフイズテックには通えない年齢ですよね。
当時は、母に教えてもらった小学生向けのプログラミングスクールに通っていました。そして小学校卒業後もプログラミングをもっと続けたい、中学生になったらもっとできることを増やしたいと思って、再び母に教えてもらったライフイズテックに入ることにしたんです。

─── レベルアップを目指して、ライフイズテックに参加したんですね。実際に小学生の頃と比べて、プログラミングでできることは増えましたか?
小学生の頃に通っていたスクールではコードをあまり書く必要がなかったんですが、ライフイズテックに入ってUnityを学ぶようになってからは、コードをたくさん書くようになりました。またUnityを知ってからは、プログラミングでできることが格段に増えたと思います。

─── ちなみに中学生になってから、いつまで通っていたのでしょうか?
高校3年生になった今も、まだ通っていますよ。

─── ライフイズテックは2、3年で卒業するメンバーが多いと聞いているので、おそらく途中でメンバーが卒業していくのも見ていたんじゃないかなあと。私だったら自分もそろそろかなと考えてしまいそうです。
プログラミングが楽しかったから、特に卒業を意識したことはありませんでしたね。

─── ちなみに増田さんは、どんなところにプログラミングの楽しさを感じるのでしょうか?
プログラミングは、バーチャルな世界を形にするゲームづくりにおいて、表現できる幅が無限にある方法だと思っています。考えれば考えるほど、形にできるものが増えていく。そこがおもしろいんです!

─── 確かに、頭に思い浮かんでいる世界を自分の手で実際に動かせたら、楽しそうです。
もちろん表現できるものが無限にある以上、考えたものを形にしたければ、乗り越えなければならない壁もたくさん出てきます。エラーでつまづいて、コードを書き直すこともめずらしくありませんし……。ただこの壁を乗り越えて作品ができたときの達成感を味わったら、たまりませんよ。次はもっといいものをつくりたいという気持ちが出てきますね。

─── 達成感は、自分に「次」「さらに上」を考えさせてくれますよね。
もちろん自分が好きなことというのもあるとは思いますが、本当に自分から進んで学ぶために必要な思考や行動を学べているなと思っています。もちろん学校での勉強も大事ですが、やはりどこか「やらなければならないから、やる」みたいな感じがあるじゃないですか? 僕は、つくりたいものをつくるために楽しく通っているライフイズテックで、自分の興味関心を深められましたし、向上心も育まれているなあと実感しています。

─── 自分から進んで学べる環境と出会えたからこそ、自分の成長を実感できているんですね!
またプログラミングに意欲のある人たちに囲まれていたことも、大きく影響していると思います。スクールだけでなくキャンプにも参加していたんですが、周りの人がつくったいろんな作品を見る機会がたくさんあったので、めちゃくちゃ刺激をもらえましたね。

─── 自分の作品づくりの参考となるいい教材が、たくさんそばにあると。
もちろん周りの人の作品を見て、「自分にはこんなアイデア思いつかない」と悔しい思いを持つこともあるんですが、それが闘争心に火をつけてくれるんです。なによりすごい作品をつくるみんなを、尊敬していました。教えてくれるメンターさんも、本当に知識が豊富で。そんなたくさんの尊敬できる人と出会えるライフイズテックは、僕にとってとても居心地のいい場所でもあったんです。

少し遠回りもした。迷いなくゲーム開発を進めるために必要だった挑戦

─── ちなみにこの6年間で、どんな作品をつくってきたのでしょうか?
去年5月から本格的に、Unityを使った3D脱出ゲームを開発しています。敵が徘徊しているフィールドを抜け出すという、シンプルなゲームです。

─── ずっとその作品をつくっているんですか?
いえ。今開発中のゲーム以外にも、いろんな作品を作ってきました。しかし実は、今つくっている作品以外は、最後までつくりきれなかったんです。

─── 壁を乗り越えて達成感が味わえるのが楽しいと聞いていたので、少し意外でした。これまでのゲームを最後までつくりきれなかったのは、何か理由があるのでしょうか?
これは僕の弱みの1つだと思うんですが、つまってしまったり他に関心が移ったりして、次の新しいゲームづくりに手をつけてしまうことが続いたんです。

─── 「つくりたいのはこれじゃない」と次に移りたくなる気持ち、めちゃくちゃ分かります……。ただ、おそらく周りのメンバーの中には、リリースしている人もいたと思います。私だったら、少し焦ってしまうかなと。
友達がリリースしているのを見て、焦りもうらやましい気持ちもありました。1つの作品をアップデートしていけない自分に、引け目を感じることもありましたし。

─── そんなせん望と焦りを感じるなかで、今1つのゲーム作りに専念できるようになったきっかけは?
1つの作品にコミットできたのは、ゴールが見えたからです。ライフイズテックには“タスクマネージメントシート”というゲーム開発がどこまで進んでいるか自分で書き込めるシートがあるんですが、そこがすらすらと埋まるし次にやるべきことがはっきりと見えてきて。だから開発にも迷いがありませんでした。
また、担当してくれたメンターさんも、二人三脚でサポートしてくれたことも大きかったです。

─── 話を聞いていると、増田さんが今、迷いなく開発ができているのはきっと、これまでのゲームづくりで「本当につくりたいこと」をみがいてきたからなのかなと感じました。
そうですね。少し遠回りになったのかもしれませんが、途中まででもいろんなゲームづくりに挑戦したことは、僕にとって必要な時間だったと思います。

─── ちなみに今つくっているゲームの「ここはすごいぞ!」と思うアピールポイントは?
ステージを歩き回るときの立体感、臨場感にはこだわりました。またゲームはバーチャルな世界を表現できるとは言いましたが、現実感のある世界観を意識してつくっています。

─── 現実感のある世界観?
例えば別の部屋に行く扉は、突然現れるようなものではなく、もともとその部屋にある本棚を隠し扉にしています。

─── 某魔法使いの映画を見ているみたい!
あとは追われる敵はロボットなんですが、そのロボットは人工知能なんです。そのロボットの知能が発達していて、人が侵略されている世界をつくっています。

─── その世界観、めちゃくちゃそそられます! ちなみに、普段ほとんどゲームをしない人でもできそうですか?
操作性もシンプルに、分かりやすくを心がけ、“↑”・“↓”・“→”・“←”だけで動かせる、パソコンゲームにしました。

─── ゲーム好きな人がつくるゲームだから、てっきり難しい操作を要求されるのかと思っていました。
操作を覚えてほしいわけではなく、ゲームを楽しんでほしいので。だから、いろんな人に楽しんでもらえたらいいなと思っています。

プログラミングは、表現方法の1つ。ライフイズテックで学んだことを、これからの人生にいかしたい

─── 今開発中のゲームのリリース予定はありますか?
実はもう、Unityルームというフリーゲーム投稿サイトで公開していました。エラーが見つかったので一時的に非公開にしていますが、改善次第あらためて公開して、個人のSNSでもっと多くの人にゲームを届けられたらと思っています。また3月にある日本ゲーム大賞U22部門に、この作品をエントリーする予定です。

─── なんかもう、「満を持して」という感じですね!
ここまで、迷いなく開発をしてきたので! またこのような大会に参加することで、さらなる刺激がもらえると思っています。クオリティの高いゲームがたくさん集まりますから。だから今も難易度の設計をしっかりつくりこむなど、より楽しいゲームとなるよう開発を進めています。僕がライフイズテックで培ってきたものすべてを、出しきるつもりです!

─── すべてを出しきるという話が出ましたが、増田さんは高校卒業を目前に控えていますよね。これからの進路のことも聞いていいでしょうか?
高校卒業後は、両親がしている事業に一緒に携わる予定です。

─── それは、プログラマーとして?
プログラミングを活用する場面もおいおい出てくるかもしれませんが、まずはウェブでの販売を強化するために、自分にできることを考えて。ライフイズテックで培った開発に至るまでの考え方やタスク管理の仕方は、プログラマーだけでなくどんな仕事にもいかせるので。僕にとってプログラミングは、数ある表現方法の中の1つなんですよ。

─── プログラミングに必要な論理的思考は、どんな仕事にもいかせますよね! ちなみにご両親の会社に入るのは、自分から直談判したんですか?
「視野を広げるために、進学ではなく仕事に挑戦してみたら?」と両親から提案されたのをきっかけに、自分自身でこの道を選びました。僕はもともと、人を喜ばせることに挑戦したいという気持ちも持っていたので、あえて社会人になる選択をすることでそのヒントがつかめるんじゃないかなと思ったんです。また日本にとどまっているだけでは視野は広がらないから、海外にも行きたいと思っているんです。だから将来は、海外の大学へ進学することも考えています。

─── 人生設計がとても柔軟です! ちなみに行ってみたい大学はあるんですか?
今のところ、まだ決めていません。ゲームやプログラミングが好きなので、IT系の大学に行く可能性は高いですが、もしかしたら仕事をしてみて他のことに興味が出てくるかもしれませんし。だから、いざ大学に行くと決めた時の自分の気持ちを大切にしたいと思っています。

ただ、どんな道を選んだとしても、プログラミングは一生続けていきたいですね。できることなら、プログラミングで誰かを、世の中を幸福にできたらいいなあと、ぼんやり考えています。それくらいプログラミングやライフイズテックで過ごした時間は、僕の人生を豊かにしてくれているので。

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「つくりたいものをつくる」といっても、そのゴールにたどり着くまでにあらゆる挑戦をしてきた増田さん。

一直線に突き進むことは、「やりたいことをやる」ための最短ルートかもしれません。
ただ、意欲的にいろんなことに挑戦することで、自分の中の「本当にやりたいこと」が研ぎすまされ、見えてくる道もあるのではないでしょうか。

今はまだ、やりたいことがぼんやりしていても大丈夫。まずは、目の前のことに進んで挑戦してみよう。
私は増田さんから、こう教えてもらった気がします。

ライター:クリス(@qris_)