【Code Girls Stories INTERVIEW #03】エンジニアとしての活動を世界に発信中!(土井麻未さんのストーリー)
大学入学後にプログラミングを始め、現在はGoogleソフトウェアエンジニアとして活躍する土井麻未さんへのインタビューをお届けします!
目標を見失ったときに プログラミングと出合った
──土井さんの経歴についてお聞かせください。
もともとファッション業界に興味があり、大学はデザイン系の学部に進学したのですが、1年次で早くも「ちょっと違うかも」と思うようになって……。そこでいろいろな分野を見て回っているうちにWebデザインと出合って、プログラミングの面白さにハマっていきました。
その後は 、情報系の大学院に進学し、現在は、GoogleでChromeブラウザのチームに所属しています。業務としては、Chromeブラウザに新しい機能を追加したり、バグを直したりしています。そもそもパソコンや機械に苦手意識があったので、プログラミングをすることも、Googleで働くこともまったく想像していなかったですね(笑)。
──これまでつくってきた作品で、特に印象に残っているものはありますか?
大学院の修士2年次につくったRISC-V(リスクファイブ )[1] のエミュレーターです。コンピュータがどのように動いているのか、その仕組みを知りたくて、自分のコンピュータ上で動く、新しい別のコンピュータをつくりました。自分的にもチャレンジングなプロジェクトだったのですが、海外の人にも注目してもらえて、非常にやりがいを感じました。
──以前の土井さんのように、初めてプログラミングに触れる人へのアドバイスはありますか?
とにかく手を動かしてみるのが一番楽しいと思います。最初はProgate[2]のように、パソコンのブラウザさえあれば できるプログラミングサービスから始めてみることをおすすめします。オンライン上でコードを書いて、実行までできるという、勉強のためのツールですね。とりあえず何かを書いてみて、「これを実行すると、こういう結果になるんだ」 というプロセスを体験してみてください。
プログラミングを始めたいと思っている人にとって、障壁になるのは環境構築[3]の部分だと思っています。例えば、Python[4]で書きたいと思ったら、まずはPythonの開発環境をインストールする必要があって、それがハードルを高くしていることもあります。Progateでは、環境をすべてブラウザ内で準備してくれるので、余計なことに悩まず、とりあえずコードを書くというところから気軽に始めることができますよ。
──土井さんの今後の目標をお聞かせください。
女性エンジニアのロールモデル的な存在になりたいです。 その第一歩として、現在もYouTubeでライブコーディングをしたり、Twitterで技術の発信をしたりするなど、インターネットを通じてパブリックに発信を続けています。
YouTubeでは、英語でライブコーディングをしているYouTuberの方とコラボレーションしたこともあり、世界中の人から反応をもらえることもあって、自分自身の刺激 にもなっています。私の活動を見てくれた中高生の人に、「こういうのも面白そうだな」という感じで興味を持ってもらえたら、すごくうれしいですね。
[1]RISC-V:ライセンス料が無料で、誰でも使用可能な命令セットアーキテクチャ。ハードとソフトの橋渡しをする。
[2]Progate:初心者向けのプログラミング学習サービス。Web上でプロダクトをつくりながらスキルを習得できる。
[3]環境構築:アプリケーションを開発・動かすためのセットアップをすること。例えばPythonでは、書かれたプログラムを機械語に翻訳し実行するためにインタプレタが必要になる。
[4]Python:プログラミング言語の一種。アプリの開発、人工知能、データ解析などさまざまな用途に用いられる。