【Code Girls Stories INTERVIEW #02】地域と連携し、アプリ開発を社会で役立てたい!(平川晴茄さんのストーリー)
小学4年生からプログラミングの学習を始め、現在中学2年生の平川晴茄さんへのインタビューをお届けします!
目標に向かって開発を続ければ 自然とスキルが身についていく
── 平川さんがプログラミングを始めたのはいつからですか?
小学4年生のときです。学童保育の施設にあったScratch[1] に関する本を読んで興味を持ちました。その約半年後、 地元の新聞社が主催するプログラミングコンテストに参加するため、Scratchを使ってそろばんの学習アプリをつくりました。
計算式を入力すると、式に応じて画面上のそろばんが動くような仕組みのアプリです。当時通っていたそろばん教室で、そろばんの動かし方がわからずに困っている下級生をよく目にしていて、そうした下級生の助けになりたいと思ったことが、アプリ開発のきっかけでした。
── 平川さん自身や周囲の方の課題がアプリのアイデアにつながることが多いのですか?
そうですね。全国選抜小学生プログラミング大会でグランプリをいただいた「ぶらっしゅとーく」も、病気の後遺症で話せなくなった祖父とうまく意思の疎通ができなかったという、幼少期の経験が心残りで開発しました。
「ぶらしゅとーく」は、小さな子どもとお年寄りがコミュニケーションをとるためのWebアプリです。文字盤やスタンプを使うことで、デジタル機器に不慣れなお年寄りや文字を書けない小さな子どもでも簡単に意思疎通ができる筆談アプリを目指しました。
また、ビデオ通話機能もついているので、離れた場所にいる人との交流も可能です。開発にはJavaScript[2]のフレームワークVue.js[3]を使用し、通信の部分はSkyWay[4]というサービスを使用しました。
── 「ぶらっしゅとーく」の開発時にこだわったポイントはどこでしょう?
実際にたくさんの人に使ってもらえるアプリにしたかったので、社会福祉協議会や保育園に協力してもらい、ユー ザーテストを実施しました。ユーザーテストを通じて、「文字盤の文字が小さく押しづらい」「入力を誤ったときに、 文字を全部消すことしかできないので、一文字ずつ消せるようにしてほしい」といった意見をもらったので、それら をデザイン面や機能面に反映し、改善していきました。
── 今後プログラミングやアプリ開発をやってみたいと思っている人は、どこから始めてみるのがいいでしょう?
最近は、オンラインのプログラミング講座や、初心者向けのプログラミングイベントも増えているので、そういうところに参加してみるのがいいと思います。大切なのは、「自分が何をつくりたいのか」ということ。私も初めは失敗ばかりでしたが、目標を設定し、そこに向かってエラーをひとつずつ解決していくことで、作品を完成させることができました。自分のつくりたいものに向かってコツコツと開発を重ねれば、自然とスキルは身についていくと思います。
── 将来の目標はありますか?
現在は、地域の人とも話をしながら、災害時に役に立つツールの開発に挑戦中です。どんどんスキルを磨いて、プログラミング技術で社会の課題を解決できるような人になるのが目標です!
[1]Scratch:世界最大の子ども向けコーディングコミュニティ。ゲーム、アニメーションなどを簡単に作成できるツールが充実している。
[2]JavaScript:プログラミング言語の一種。国内外のほとんどのWebサイトで使用されている。
[3] Vue.js:JavaScriptでのアプリ開発に必要な機能がセットになったツール。シンプルな操作でアプリを開発できる。
[4] SkyWay:ビデオ・音声通話の機能をアプリに実装できるサービス。