2020年から、プログラミングが学校教育でも順次導入される。どんな授業になるのかが見えない中で、「子どもをプログラミング教室に通わせるべきか」と悩んでいる保護者の方も多いのではないだろうか。
ライフイズテックには、アップルが主催する『Worldwide Developers Conference(以下、WWDC)』という世界中の学生を対象としたプログラミングコンテストで今年、日本人で唯一弱冠16歳で入賞を果たした杉山丈太郎さんというスクール生がいる。
杉山丈太郎さんのインタビュー記事はこちら
アプリを含め、あらゆるものづくりが好きだという彼は、思いついたものを続々と形にし続けている。そんな彼の背中を押しているのがご両親だ。
今回は杉山丈太郎さんのご両親がなぜ息子の習い事にプログラミングを選んだのか。また子どもの可能性を伸ばすために親ができることについて伺った。
プログラミングに出会うまでの幼少期の環境づくり、インタビューを前後編でお届けしたい。
【前編】
「丈太郎は幼い頃から廃材を分解したり組み合わせたりして、オリジナルのおもちゃを作るのが好きな子でした。自動泡だて器のようなものを作っていたのを覚えていますね……」
幼少期からものづくりに熱中していたという丈太郎さん。そんな息子の姿を見て母・雅子さんは、その情熱をさらに伸ばす方法としてプログラミングに着目しました。なんとか見つけ出したレゴのロボットプログラミング教材を使ったプログラミングスクールの体験中テンションが上がりっぱなしだった息子の姿を、今でも覚えていると雅子さんは語ります。
あらゆるものづくりに熱中していた幼少期
杉山家では、「まずはやってみよう」「やらないよりもやってみよう」という方針を大切にしているそう。そのため丈太郎さんのご両親は、子どもたちがあらゆることに挑戦できるよう、環境を整えるように努めています。
杉山家流子どもの挑戦をサポートする環境の整え方は2パターン。1つめは、すでに子どもが興味を持ったものに合わせて用具や環境を用意すること。そしてもう1つは、子どもが興味を持ちそうで、かつ親も面白そうだと思ったものを体験できるようにすることです。
自分の子どもとはいえ、その子が何に興味を持つかを予想するのは難しいのでは——?
このように疑問を感じた人もいるのではないでしょうか。
「とにかく子どもを観察して、何に関心があるかを見極めるようにしていました。うちは4人子どもがいるのですが、みんな関心ごとが違うんですよ。だからどんな環境を用意したらいいかは、子どもによって変わります」
こう話す雅子さんは丈太郎さんの興味関心を見極めた結果、小学生のころはロボットプログラミングスクールを、中学生になってからは慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(以下SFC)で実施されるライフイズテックの夏キャンプを紹介したそうです。
夏キャンプの様子
ライフイズテックの夏キャンプに参加した丈太郎さんから雅子さんは、キャンプが終わってすぐにスクールにも通いたいとさっそく相談されたそう。
「まずはやってみよう」「やらないよりもやってみよう」という方針を持つ杉山家ですが、「好きなことを続けるのは、やるべきこともきちんとやってから」という条件も大切にしているんだとか。このやるべきこととは、子どもがその時々で向き合うべきこと。例えば、学校の成績や家での役割分担などの条件があったそうです。
丈太郎さんは小学生の間、ロボットプログラミング以外にもアプリ開発など他の分野への興味が広がり始めていたものの、アプリ開発系のスクールには通わず中高一貫校の受験にシフトしています。これはご両親の「中学高校と自分の進路を真剣に考えるタイミングにとことん自分の好きなことに打ち込む時間をぶつけたほうがいいのではないか」という想いと、丈太郎さんの好きなことに熱中しやすい性格を考慮したうえでの判断でした。
ロボットプログラミングスクールでのプレゼン
そして晴れて中学生になった丈太郎さんは、ご両親との約束である英検の合格、学校での成績などをクリアし、ライフイズテックのスクールに通うこととなります。
後編
1.ものづくりが好きな息子に用意した、プログラミングというフィールド
2.楽しくプログラミングを学べる、息子にとっての大切な居場所
3.子どもの「やりたい」を応援するために親ができること
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