【メンバー成長記】アプリ甲子園優勝/海外留学を実現!夢は宇宙へ

posted on 2019/02/08

ライフイズテック白金高輪スクールに2015年春から2017年秋まで通い、現在も「テクノロジア魔法学校」でプログラミングを学んでいる中馬慎之祐さん(15)は、シンガポールに留学している。「カナディアン・インターナショナル・スクール」の9年生だ。

小学6年の時、「飛び級」でライフイズテックに入校し、海外でも安心して外食ができるiPhoneアプリを開発し、中高生のためのスマートフォンアプリ開発のコンテスト「アプリ甲子園2015」で、最年少で優勝。「アプリ甲子園2018」では、「AsnapR(アスナップル)」というAR(拡張現実)カメラのアプリで、準優勝を果たした。

そんな経験を生かし、「孫正義育英財団」1期生として留学を実現させた。

中馬さんにプログラミングとの関わりや将来の夢について語ってもらった。

ーープログラミングを始めたきっかけについて教えてください。

元々はレゴブロックが始まりです。3歳の頃から習い事の一環として、レゴ教室に通っていました。ブロックで街を作ったり、歯車の仕組みを習ったりしていました。母は後になって「答えが一つでないものを学ばせたかった」と言っていましたね。

レゴ教室には、プログラミングで動くロボットや車を作っている高校生もいました。僕はずっとそれに憧れていて、年齢別カリキュラムだったので手を出せなかったんですが、4、5歳の頃、子ども向けのプログラミングキットが発売されました。それで、サンタさんにそのキットをもらったんです(笑)

それでも、僕にとってそのキットがとても難しくて、ちょっと手を出してみたんですけど続かなくて、しばらく家の棚にしまっておいたんです(笑)

小学2〜3年の頃、たまたま棚にあったキットを発見して、今ならできるかもしれないと思ってプログラミングを始めてみました。

そのキットで使用されていたのがプログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」でした。スクラッチを知って、自分でゲームを作るようになっていきました

 

ーーライフイズテックとはいつ頃から関わりが生まれたのでしょうか。

小学4年の時、サイバーエージェントとライフイズテックの合弁会社「CA Tech Kids」が運営する「Tech Kids School」が始まりました。そこで母に、「プログラミングをしっかり学びたい」とお願いして、週1で通うようになりました。

小学6年の時、「飛び級」みたいな形で、本当は中学生からですが、ライフイズテック白金高輪スクールに通うようになりました。

コースは小学4年の時からiPhoneアプリプログラミングコース一筋です。

 

ーーシンガポールにはどういう経緯で行くことになったのですか。

きっかけは自分で開発したiPhoneアプリ「allergy〜世界中のアレルギーの人のためのアプリ〜」です。

小学5年の秋休みに、イギリスとフランスに家族で旅行に行きました。僕、卵アレルギーがあるんです。フランスに行った時、大体のお店で英語が通じたんですけど、ある店だけ英語が通じなかったんです。卵を入っているかどうか確認できなくて、何も食べずに店を後にしました。

それを解決できるアプリがあったらいいなというのがアプリ開発の出発点です。言語の壁があっても、アレルギーの人が安心して外食できたらいいなと思いました。

卵やナッツなど世界でも代表的な8アレルゲンに、「そば」を加え、9アレルゲンをピックアップしました。アプリで該当のアレルゲンをクリックすれば、9言語に対応したメッセージが出てきて、店側に伝えられるようになっています。今は11言語にアップデートしています。


▲(左)allergy〜世界中のアレルギーの人のためのアプリ〜 (右)AsnapR(アスナップル)いずれのアプリも、現在もAppleStoreでダウンロード可能だ

このアプリをライフイズテックに入ってすぐ作りました。

このアプリで「アプリ甲子園2015」で優勝したり、22歳以下のプログラミングコンテストで大賞をもらうことができました。

テレビや新聞、雑誌でも取り上げられました。

中学に入って、友達が海外の学校に転校したりして、僕も「海外で勉強してみたいなぁ」と思っていた頃、母が「孫正義育英財団」の1期生募集を見つけてきてくれました。開発したアプリを突破口にして応募してみようと思いました。

中学生だと短期間のホームステイなどはあっても、アレルギーがあると受け入れてもらうことが難しいのに、中学生を、しかも長期間支援してくれるような奨学金は今まで聞いたことがありませんでしたから。

それで1期生に選ばれることができたんです。


▲アプリ甲子園2015に参加した時のインタビュー映像

ーー孫正義さんとは話すことができましたか。

最終審査会では、孫さんの前でアプリ開発についての経緯などについてプレゼンしました。プレゼン後、しばらくしてから孫さんから直接「自分の弱みを強みに変えたわけだから、君は素晴らしい。すごいことだよ」と声をかけてくれて、感激でした。めちゃくちゃ嬉しかったです。懇親会でも孫さんやノーベル賞受賞者の山中伸弥教授もいて、話すことができました。

 

ーー学校生活を含め、留学先のシンガポールではどんな生活をしていますか。

シンガポールのジュロン・イーストという地域に住んでいます。コンドミニアムで母と暮らしています。父は仕事があるので、日本で一人暮らしです(笑)

勉強方法は、日本と全然違いますね。鉛筆や紙はほとんど使わなくて、9割がパソコンで勉強です。ものを覚えるというのではなく、ものを考えることが多いです。

英語は最初苦労しましたが、語学面でのサポートもありました。学校は、めちゃくちゃ楽しいですよ。

学年に日本人は僕を含めて4人ぐらいですね。

食べ物については母もいますし、シンガポール料理も時々食べます。中国料理も多いですね。食には全然困りません。

 

ーー振り返って、ライフイズテックでは何を学んだと思いますか。

小学生の時は、自分が楽しむプログラミングでしたけど、ライフイズテックに入ってからは、楽しむ上で、具体的な目標を与えてくれたと思っています。アプリ甲子園もその一つです。

あと、自分だけではない「誰かのために」という視点も加えてくれました。技術的なスキルアップだけでなく、いろんなものの見方を教わりました。

ーー将来の夢はありますか。

幼稚園生ぐらいからずっと宇宙に行きたいと思っています。宇宙飛行士に限らず、民間企業でも行ける時代になったので、そういう会社に参画したり自分で起業したりしたいですね。

仕事にするしないに関わらず、宇宙に1度、行ってみたいです。

どんな形でもプログラミングは役立つと思っています。僕たちが普段使っているものは、ほとんどプログラミングと密接に関わってますから。いろんなものを作り上げる工場だってプログラミングは欠かせません。

プログラミングは最強だと思いますよ(笑)

ライター:宮本俊一
プロフィール:1981年、群馬県生まれ。2006年、読売新聞東京本社入社。記者職を中心に歩む。子どもの未来に繋がる仕事がしたいと2018年11月、Life is Tech! に転職。仕事の傍ら2013年からエッセーを書き、「第18回約束(プロミス)エッセー大賞」(産経新聞社主催)などで入賞。「誰にでも分かりやすく」をモットーに、旬な話題を随時アップします!