【社員インタビュー vol.2】誰のための仕事なのか、その先の「顔」が見たい!中高生の未来を描け!20代の決断

posted on 2019/03/07

中学校や高校などに直接ライフイズテックのキャンプを届ける「Teens Coding Week」を長く担当してきたのが、ディレクターの北尾沙智恵だ。新卒で大手新聞社に入社。広告営業に4年半携わり、2017年7月にライフイズテックにジョインした。大企業で自身の「安定」よりも、子どもたちとともに「未来」を選択した北尾。2019年2月から産休に入り、復帰後は「ママ」としてさらなる飛躍が期待される。

ーー前職は大手新聞社の広告営業というキャリアですが、どのような経緯で新卒入社したのですか。

就職活動の軸は、多くの人の人生に影響を与えられるような仕事がしたいというものでした。新聞やテレビ、出版といったマスコミが第一希望でした。情報発信の仕事ですね。

元々は記者志望だったんです。でも、大学2年の時からテレビ局でカメラアシスタントのアルバイトをしていたんですけど、ちょうど東日本大震災が起きた時、気持ちに変化が起きました。

報道の意義は感じましたが、私が有事の時、今目の前にいる記者の人たちのように働けるだろうかと思ってしまったんです。私は市井の人の感覚が強くて、「怖い」と思ってしまったんですね。

そこで、記者という職種は自分には合っていないのではないかという疑問が出てしまいました。

ただ、この業界で働きたい、力になりたいとは思っていたので、広告や販売などのビジネス系の職種に方向転換しました。情報を発信する人たちの土台を支える仕事をしようと決意しました。

ですから、マスコミは全てビジネス系の職種を受けていて、記者職で受験したことはなかったです。

ーー新聞社に入社されてからはどのような仕事に携わったのですか。

2013年4月に入社し、配属されたのは、デジタル部門の広告営業チームでした。それぞれ担当の業界があって、クライアントのデジタル広告施策に対する営業を担当しました。新聞とデジタルを組み合わせた「クロスメディア」の広告を担当したこともありました。

途中、新規ニュースサイトの立ち上げにも関わりました。ビジネスとはなんぞやみたいなところから色々教えていただいて、鍛えられました。大企業ならではの恵まれた環境もあり、ありがたかったですね。今でも前職の皆さんには感謝しています。

ーー転職しようと思ったきっかけは何かあったのですか。

就活の時から「多くの人の人生に影響を与えられるような仕事がしたい」という軸はずっとブレてなくて、新聞社で数字が大きくてインパクトのある仕事をさせてもらったんですが、自分のやった仕事が誰の人生にどういう影響を与えているのか、その人はどう感じてくれているのかがなかなか想像できなかったんです。

徐々に自分の中での仕事がリアルに感じられなくなってきました。誰に影響を与えているのか、その人の「顔」が見たいと思うようになり、転職を考え始めました。

 

ーーライフイズテックはどのようにして知ったのですか。

きっかけは女性に特化した転職サイトに登録していて、そこで知りました。そのサイトでは企業からダイレクトにスカウトメッセージが届くんですが、ある日突然、ライフイズテックからポーンとメッセージが来たんです。

「教育」、「子どもたちの可能性を拡げる」、「プログラミング」といった今までには想像してもいなかった魅力的な言葉が並んでいて、共感しました。

大学時代のアルバイトはカメラアシスタントと同時に、塾の講師や家庭教師もやっていて、元々、教育には興味があったんです。

ーー実際に転職する際、悩んだりしたことはありましたか。

転職する人にも色々タイプはあると思います。転職を即断する人もいると思いますし、モヤモヤと悩み続ける人もいると思います。

私の場合、ライフイズテックに入社するのは2017年7月ですが、その前の2年間ぐらい「転職」が頭に浮かんでは消えるというモヤモヤの期間がありました。

その2年間があったので、実際にライフイズテックから内定をもらった時は、迷いはありませんでした。自分の中でマグマのように「外の世界で挑戦してみたい」という気持ちが高まっていて、それが爆発した感じです(笑)

 

ーー家族や友人など周囲の反応はどうでしたか。

友人には「もったいない」、「何で辞めちゃうの」と随分止められました(笑)

ーーそういった声もある中で、最終的な後押しになったのは何だったんでしょう。

やっぱり最後は自分の心に素直に従ったんです。

一生に一度しかない人生、大企業の「安定」より、子どもたちと一緒に「未来」にかけてみようって。

胸を張って「自分のやりたいことはこれだ!」という道を選びたかったし、進みたかったです。

それにライフイズテックのホームページで社員の集合写真を見て、ビビビッと運命的なものも感じたんですよ(笑)みんなの笑顔と明るさ、雰囲気・・・。

「教育を変えよう」という気持ちが伝わってきました。びっくりするくらい会社のミッションに賛同することができて、迷いはなかったです。

ーーライフイズテックはどんな仕事からスタートしたのですか。

7月入社ですから、慶応大と東大のキャンパスで行われたサマーキャンプに運営見習いとして入りました。

そこで忘れられないメンバー(中高生)との出会いがありました。

親御さんとの関係性があまりうまくいっていないキャンプ初参加のメンバーで、宿泊だったのですが、ちょっと過呼吸気味になってしまったんです。

親御さんが迎えに来たのですが、メンバーはキャンプをどうしてもやり遂げたいと言うんですね。親御さんにはその旨を私たちの方から説明して、メンバーは親御さんに会わずに、一人で3泊4日をやり遂げることができました。

最終日の発表会で堂々と発表できて、親御さんも涙を流しながらそれをじっと見つめていました。このキャンプを通じて、親子関係も変化したそうです。

そこでライフイズテックはプログラミングだけを教えているわけではないと改めて実感しました。メンバー自身、自分が想像できないぐらい成長して、親御さんもそんな子どもの成長を目の当たりにできるんだなと思いました。

ーーその後はどんな仕事をされてきましたか。

Teens Coding Week」を立ち上げ時から担当してます。これは、主に大学で開催しているIT・プログラミングキャンプを、中学校や高校、企業オフィスなどで、直接キャンプを届ける取り組みです。当日のディレクターも担っています。

これまでに、約30校に参画していただきました。

 

ーー前職との仕事で一番大きな違いは何でしょう。

前職にいる時は、常に自分が年齢的にも経験的にも教えてもらう立場でした。初めてメンター(大学生講師)と接して、自分がマネジメントして主体的にチームを作っていく感覚は、前職との大きな違いでした。

人に対する言葉の伝え方、どうすれば気持ちよく仕事をしてもらえるかを常に考えて、一つ一つのコミュニケーションにも気を配るようになりました。

ーー1年半仕事をしてきて、ライフイズテックのカルチャーについてどう捉えてますか。

会社に負のオーラとかそんな空気を全然感じないことですね。みんな、常に未来を見ている感じがします。

ーー同じ働く社員についてはどういうイメージを持っていますか。

一言で言うと「一芸集団」(笑)一人一人の能力が尖っていて、これぞという得意科目があるというイメージです。

特化した個性、能力のある仲間が多くて、「全員揃うとオールマイティー」みたいな感じですね。

ーーそんなライフイズテックでこれから実現したい夢はありますか。

私は埼玉県の北部・熊谷市出身で、大学までずっと国公立でした。もしかしたら「プログラミングを学ぶ」っていうと、都会の恵まれた環境で、親御さんの感度も高いというイメージがあるかもしれません。

ただ、私は自分の経験や育った環境から、地方にいる普通の子どもこそプログラミングを習ってほしいなという思いがあります。そういう子どもたちが、新しい発想で自分の生き方を選べるようになってほしいですね。

その一助になることができたら最高ですね。

 

ーー2019年2月から産休に入られます。その後、復帰してから自身の働き方を含め、どのようなビジョンを描いてますか。

子どもができて教育に対する視点が変わったと話すパパ、ママの同僚は多いです。私も違った立場で、「教育」に何が必要なのか考えられるようになるのかなと期待しています。

子育てと仕事の両立について、不安がないと言えば嘘になりますが、ライフイズテックほど産休や育休に理解のあるベンチャー企業はないんじゃないでしょうか。

一般的に、産休に入るということは、どうしても現場の人に一定の負担を与えるものだと思います。妊娠を伝えた時も、上司は「おめでとう。一番いいことだからね」と心から応援してくれました。

まだ小さな会社ですけど、産休に入られている先輩も複数いて、驚くほど理解がありますね。働き方については、今後、色々模索しながら相談していきたいと思っています。

<インタビューを終えて>

筆者自身、北尾の出身地から20キロも離れていない地方都市で育った経緯から、「地方にいる普通の子どもこそプログラミングを習ってほしい」という言葉は説得力がありました。テクノロジーが発達した現代。「知っている」か「知らない」だけで、子どもたちのその後の人生が大きく変わるようにも感じます。

育休を終え、ママとして職場復帰した暁には、たくさんの子どもたちに「気づき」を与える存在になってくれることでしょう。

ライター:宮本俊一
プロフィール:1981年、群馬県生まれ。2006年、読売新聞東京本社入社。記者職を中心に歩む。子どもの未来に繋がる仕事がしたいと2018年11月、Life is Tech! へ。仕事の傍ら2013年からエッセーを書き始め、「第18回約束(プロミス)エッセー大賞」(産経新聞社主催)などで入賞。「誰にでも分かりやすく」をモットーに、旬な話題を随時アップします!